野菜の力で健康を育む丹波暮らし

日本人は鳥族

鳥たちの楽園

我家は丹波市に流れる柏原川の近くにあります。春夏秋冬の移ろいを肌で感じられる土地です。

このような山に近い場所なら日本どこでも同じであるかも知れないのですが、柏原川の土手を散歩していると多くの野鳥を見ることが出来ます。

「鴨」は常に目にします。春先には数羽の小ガモが親ガモの後を追って泳ぐ姿は、童話の「かもさんおとおり」を連想させてくれて、微笑ましく思います。

大きな鳥では、「鷺」の仲間もエサを探しに沢山きています。私が好きな「白鷺」は特に目立つ鳥です。川面にうつむき加減でたたずむ様子は、あの坂東玉三郎の「鷺娘」の妖艶さを想像させてくれます。

そんな白鷺の側を、ピューッと小さな鳥が飛ぶときがあります。それは「カワセミ」です。水面すれすれに素早く飛ぶので、他の鳥のようにジックリとは観察ができないのですが、背中の青色が美しい小鳥です。正に「翡翠」ひすい色です。この「翡翠」に出会うと良いことがありそうで嬉しくなります。

 

翡翠の青は川面に映える

 

鳥と獣の違い

美しい鳥を目にすると、思い出すことがあります。私がようやく成人した頃だと思うのですが、白人の男性タレントがTVで話していた内容が興味深くて、強烈に記憶しています。

想像すると、その方は海外からこの日本へやって来て自国との文化の違いを感じて、「鳥と獣の違い」と表現されたのだと思います。残念ながらそのタレントの名前や顔が思い出せなくて、いろいろと検索もしましたが分かりませんでした。もしかして歌手だったのかも知れませんが、当時は頻繁にTVで見かけたように記憶しています。

それがとても楽しいので、紹介しますね。ご存じの方もいるかも知れません。

それはこんな説です。

「日本人は鳥、外人は獣」ほどの違いだということです。それは「衣食住」の違いを見ればすぐに気がつくと。

 

美しい翼

衣食住の〈衣〉

日本人の衣は、「着物」ですね。西洋の服との大きな違いは腕部分の形状です。そうです、和服の袖は長いが、洋服は筒状です。

近代化を取り入れるために、日本人は今までの和服文化を脱ぎ捨てて、活動しやすい洋服を日常着として選びました。活動着としての和服は袖が邪魔であることに間違いはありません。

しかし和装する者にしてみると、民族衣装から長い袖を取ることは出来ません。その優美さを捨て去ることは出来ませんね。

彼はこの袖が鳥の翼の形状と同じだと。きっと古代の大和民族は鳥の翼の美しさを愛でたが故に、長い袖の民族衣装へと変化したのではないかといっていました。

西洋人は筒袖で活動的ですが、それは獣と同じだと彼は言うのです。成る程だと感じません?

 

袖の必要性は?

 

衣食住の〈食〉

大雑把ではありますが、日本人は農耕民族であり、西洋人は狩猟民族だったと言われています。食べてきたものは随分と違っていました。

今でこそグローバル世界の恩恵を受けて世界中の食べ物が簡単に食べることが出来ていますが、かつて大和民族は植物由来と川と海の恵みを食してきました。獣や鳥の卵も食べていましたけど、それは特別な場合でした。

 

クチバシで小魚を挟むカワセミ

 

我々は山や野から木の実や果物を、川や海からは貝や海藻や魚を、やがて稲や麦を耕作して、長い間を暮してきました。そのために肉食の西洋人に比べて体格は小柄でした。しかし、食物繊維を消化するために腸が西洋人よりも長いそうです。日本人は腸が長いDNAを持ち続けています。

大戦中にアメリカ兵が日本人キャンプに残されていた大便の多さに驚いて、日本兵が自分たちよりも数が多いと勘違いして撤去したという話しは有名ですね。

そんな現代の私たちが西洋人と同様な食文化になったことから、大きな体格を得ました。しかし癌などの大きなリスクも背負い込みました。

 

箸で挟む ナイフ&フォークで引き裂く

日本人は鳥のクチバシのように、を使って食事をします。

「刺し箸」と言って、食物を箸で突き刺して口に運ぶことは作法上は嫌われますが、鳥のクチバシように刺したり、挟んだりして口に運ぶ食べ方は正に鳥の姿ですね。

肉食の食事は、爪で獲物を押さえて引き裂きながら食す獣の食べ方と動作は同じですね。フォークは爪、ナイフは牙ですね。

 

衣食住の〈住〉

従来の日本人は木造建築で建材は木材が主です。地震が多い日本でも神社仏閣の建築物は十分にその強度を保ち現存していることから、それは宮大工らの技の素晴らしさを物語っていますね。

木造家屋に枝ぶりが良い木を庭に植えり、盆栽の独特な文化世界を広げたのは日本人が鳥だから?

鳥のようにに止まりたいから?

 

よくアメリカ映画で見かける家は石やレンガ作りですね。石が建材です。そして庭は、決まって広い芝生があり、休日はパパさんが芝刈り機で手入れをする・・という場面がよくありますね。手入れをした芝生で子ども達とボール遊びしたり、バーベキューをするスタイルを見ます。

肉食すると、草の上に寝転びたくなるのかな?

百獣の王、ライオンや野生のオオカミなどが草原に群れて寝そべっている光景を映像でみますね。また、私はボールを追いかける姿は何となくネコ科を連想します。

 

草むらでくつろぐオオカミ

 

日本人は鳥族 鳥の文化

彼の言う説は、「案外当たっているかも知れない・・」と若い私は興味深く感じて、ン十年経った今でもこの説を信じています。

〈日本人の文化は鳥文化だったかも〉と認識すると、最近の和洋折衷はどんな風に日本人の生活や文化を変えたのかな?と新しい興味が湧いてきます。

どんなにグローバルになって衣食住に変化があっても、民族それぞれに受け継がれているDNAがしっかりとあります。

日本の国土に住んでいる以上、環境や風土に根ざした衣食住が本来の日本人の生き方ではないかと考えています。

私たち日本人の”かたち”を忘れずに”らしさ”を守ることが、文化を繋げることにもなるのではないかとも思います

そして、

鳥が上昇気流に乗って高く舞い上がり、眼下を雄大に見下ろす視線。「鳥の眼」。それは遠くまで見通せる眼力。

広く大きな視野で、世界を見渡せる眼を日本人が持ち合わせていけたら、鳥族ニッポンは最高ではないでしょうか。

 

 

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