阪神間で勤務していた私は夫の定年退職に伴って、丹波に戻ったらやってみたいことが山ほどありました。その一つが家庭菜園です。
農業のことを何も知らない私は、いつか義母の農業の技を頂いて、自分が食べたい好きな野菜を育ててみたいと考えていました。実際には母から具体的に何も教わることもなく、種まきしては枯らしての繰り返しで数年をおくりました。
父母と同居して、両親の最晩年のひとときを、静かに穏やかに和やかに過ごせたことは、私たちの最後の親孝行でした。そして両親も私たちをありがたい存在に思って下さっていたことがうれしいことでした。豊かな人生のひとときでした。
父母を見送り、ここ数年が菜園に時間を割くことが出来ています。
周囲には農業従事者よりも、人生の第2ステージを迎えた高齢の夫婦家庭が多いのですが、プランターや庭に野菜を上手に栽培して食卓を楽しんでいる方々が多いのは、田舎ならではの風景かもしれません。
そこで始まるのが”物物交換”です。これは素晴らしいことですよ。
私は素人ながらも大量に収穫して食べきれない野菜達を、ご近所や近くの親戚に食べて頂きます。そして同様にお相手からも頂くことが頻繁にあります。これはとても楽しいこと!そしてありがたいことなのです。
立派な大根、白菜、ネギ、黒豆などなど年間通して頂く野菜達はまさに新鮮そのもので、生産者の顔が分かる安心な食材です。この年末年始だけでも頂いた野菜は数知れず、野菜を買うことはほとんどありません。但し、キノコ類と豆腐などの大豆製品はタップリと買いそろえます。
寒くなると「鍋物」に欠かせないのが白菜や根深ネギですね。毎回、味を変えた鍋のオンパレードなので、私たち夫婦の胃腸は食物繊維でいっぱいです。そんなわけで、鍋のレパートリーが増えました。
白菜の「クリーム煮」や「中華風あんかけ」は私の大好きなレシピです。白菜料理が好きだった義母を思い出しながら、いつも調理します。
ネギを1㎝ほどに斜め切りした太ネギの「醤油炒め」は、中華鍋で香り豊かに炒めたものですが、これはネギの甘みと鍋の香りが醤油の香ばしさと相まって美味し~!これは正に醤油だけの味付けなのですが、すばらしく美味しいのです。ご飯にかけて丼にもなりますよ。
大根の「ふろふき」や「おでん」も日常的に食卓に上がりますよね。我家もその通りで、何度も温めながら味の浸み具合を楽しんでいます。
年末は親戚から頂いた大粒の丹波黒豆を大鍋で2キロ分炊きました。それを300gの瓶詰めにします。日頃の感謝を込めて、親戚やご近所に食べていただくことが、最後の仕事になっています。このようなことも、田舎にいるからこその楽しみ方ですね。
年末に大きなカリフラワーも頂きました。一株分を数回に分けて調理しました。
先ずは定番、茹でて温サラダ、イタリアン風にオリーブオイルとガーリックで炒め、ビーツパウダー入りのクリームシチュー、そして紫イモとのコラボでグラタンに・・・。ビタミンcたっぷり頂きましたよ。感謝!
こんなに豊かな食生活をして、いいのかしらん?!
かつては今のように交通網や冷凍技術も発展してなく、大手スーパーなどもなかった時代は地産地消が普通のことでした。今この地産地消に戻そうという気運があちこちで出てきています。
SDGsの考え方、持続可能な環境下に自分の身を置くことが、未来の私たちを救う形だと私は思います。そう思うと、ガソリンや冷凍システムを使わない移動手段である究極の地産地消、「物物交換」が最良で最高の環境ですよね。ありがたい環境です。
田舎暮らしにご興味のある方は、是非是非、丹波へ来て下さいませ。
田舎暮らしは人類を救います♪ たぶん!