冬を耐える花 サザンカの香り

色を愉しむ

人は好きな物には色々と凝るものですね。

お隣の奥様は悠々自適の老後をお過ごしの方です。とてもお花が好きなようで、一年を通して熱心にお手入れをして、素敵なイングリッシュガーデンを愉しんでおられます。

多種多様な花々が有るにもかかわらず、その庭がいつも品良くまとまっていることが不思議だった私ですが、何年か前にその謎が解けたのです。

植えられている植物の色合いに統一感があることに気がついたのです。お隣の奥様はそのことを意識しているのかどうかは分かりませんが、その方のお人柄を表すような優しい色です。

わが家は先代からの和式の庭なので、イングリッシュガーデン風というわけにもいかず、もっぱらお隣のお庭をウットリ(チャッカリ?)と眺めて愉しんでいるというしだい。

姿を愉しむ

シャクヤク

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」とは女性の姿を花に例えた言葉ですが、本当に古人は花々の姿をよく観察していたのですね。

私は若いときは華やかな花に目がいきました。色や姿が美しい花々が好きで、特に牡丹に心奪われて牡丹園へ何度も足を運びました。

あるとき、これ以上咲くことが出来ないほど目一杯に開いていた妖艶な牡丹の花が、パチンと音がするかのように一瞬で崩れる姿を目にしました。花びらが微妙にねじれて均衡が崩れたその花の顔が、私にはぎょっとするくらい怖く感じたものです。

美しさと醜さは紙一重かも・・。「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき」

香りを愉しむ

花の香りの違いに興味があり、どんな花にでもクンクンと鼻を近づけてしまいます。どうも若いときから嗅覚が利くような気がしています。(イヌ年生まれなだけに)

三大香木、四大香木と呼ばれる花はどれも素晴らしい香りですね。どれも甲乙つけがたいですが、あえて一番を言うならば私は「沈丁花」かな。瑞々しい酸味を感じます。

春は沈丁花

三大香木は 春「沈丁花」夏「梔子」秋「金木犀」

四大香木は 冬「蝋梅」を加える

イランイラン

私の好きな花の香りは他にも様々あります。思いつくだけでも

「フウラン」「スイセン」「チューベロース(月香香)」「ウメ」「タイザンボク」「ヒヤシンズ」「フリージア」「ラベンダー」「ライラック」「シャクヤク」「キク」「バラ」「イランイラン」「蓮」「スミレ」・・・

この中で実際の花を見たことが無いものがあります。それは「イランイラン」です。魅惑的な香りで香料としてしか知りませんが、一押しの大好きな香りです。

シャネルの5番にはこの香りが入っていることを、ずいぶん後になって知りました。

若いとき、いつか素敵な大人の女性になったら「自分の香り(香水)を決めよう」などと決めていましたが、いざ一つに決めるとなると悩むもので、結局決まらないまま人生の大半が終わっちゃいました。

濃いピンクのサザンカ

 

白にピンクのサザンカ

サザンカの香り

今年、教えてもらったのは「サザンカ」の香りです。

白色は優しい爽やかな香り、ピンク色は濃厚でジャスミンのような芳醇な香りがすることを知り、今まで知らずに来てしまったことが悔やまれました。

今は12月、いたるところでサザンカが咲き誇っています、私は散歩の途中で見つけるとクンクンしちゃいます。

「サザンカ」は「ツバキ」と混同されやすい同じカメリア属の花木です。葉がギザギザしていたり、実に毛が生えていることなどが違いを見分けるポイントのようですが、花の散り方にも特徴があります。

ツバキはご存じの通り頭ごとバサリと落ちることから武士が嫌ったとされますが、サザンカは花びらが一枚一枚ハラハラと落ちます。その様子は何となく切なげで風情がありますね。

春を待ちわび寒い冬をジッと耐えて、ハラリと散るサザンカは、恋しい人を待つ姿に重なるよう・・(な~んてロマンチストなの。私ってば)

『人いゆき 日ゆき月ゆく 門庭(かどには)の 山茶花の花も ちりつくしたり』佐佐木信綱

 

好みは変化するもの

夫から教わったフウランの香り

私は植物全般に興味があり、小さいころから図鑑を手放さない子どもでした。登下校の道々で小さな雑草の花が愛おしくて動けなくなったこともありましたっけ・・。今でも好きな草花は、「ハハコグサ」と「キツネノボタン」。

ハハコグサ

キツネノボタン

花の好みは年代を重ねるにつれて変化してきました。皆様はどうなのでしょう?

夫も植物が大好きで、その点は夫婦そろって会話が弾みますが、好みは少し違います。

例えば桜、夫は「山桜」、私は「しだれ桜」を好みます。私は儚げでありながらも主張する花が好きですが、夫は山野草が好きで、楚々とした花が好みのようです。

何となく性格を表しているような・・

でも最近は私も「山桜」の葉の美しさに、ウットリようになりましたし、夫は裕子だよと「しだれ桜」を植えてくれたりと・・お互いの好みを共有して愉しむようになりました。

桜の芽

令和元年もあと半月で終わろうとする今日、散歩中に桜の木を見上げると細い枝の先にはもう小さな芽がいっぱい付いていて、しっかりと春の準備をしていました。

異常気象で厳しい自然界の中でも、植物たちは粛々と進んでいるのですね。

私も粛々と。

冬を耐える花 サザンカの香り」に2件のコメントがあります

  • お花も楽しんでおられんですね。
    私は、気に入った花を鉢に植えていくばかりで、綺麗にお庭にはならないので、難しいなと感じております。

    • 田野様コメント、嬉しいです。ありがとうございます!
      庭に植えるよりも、鉢物は手軽で楽しみな物ですし、私も鉢やプランターでも遊んでいます。
      もう春咲きの球根なども出回っていますね。いろいろな花の顔を早く見たいものです。

      自分自身、人生にもう一花咲かせたいと思うこの頃。

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