人生の第2ステージを菜園活動に選んで数年がたちました。素人の私たち夫婦が、ようやく見よう見まねの農業を楽しめるようになったのは、ここ数年です。
ですが、毎年が異常気象と悪天候続きで、同じように作業をしても収穫までこぎ着けられなくなったのも現実です。
丹波といえば「丹波栗」といわれますが、今年は「割れグリ」が多くて出来映えは今ひとつとのこと。我家は栗畑はありませんが、残念な年です。
梅雨が観測史上最も遅く、8、9月の平均気温が平年値を上回ったり、乾燥が長く続きカラカラに乾いていたことなどが、植物たちの生育に悪影響を及ぼすのでしょうね。
「コスモスまつり」も種が腐り、芽が出なかったので中止になりそうだとか・・なんとまぁ!
やっと秋風の感じられる10月に入りましたが、菜園に様々な蝶たちが大量に飛び回っていることも、何となく気になっている私です。
9月27日。
丹波の地で初めて遭遇した黄色のイモムシは、翡翠ナスとイタリアナスの大きな葉っぱ(私の顔の大きさほどの葉)をムシャムシャと食べ尽くして、ナスの大きな苗を4本も丸坊主状態にしていました。我家は露地栽培、減農薬栽培なのです。ギョギョ!
調べてみると、
【クロメンガタスズメ チョウ目、スズメガ科の幼虫】だということが分かりました。
100㎝~125㎝ 7~8月 本州(関東地方以南)四国・九州・沖縄 南方系の種類で従来は九州以南を分布域にしていたが、徐々に勢力を北に拡大し、本州の温暖地でも見られるようになっている。幼虫はゴマ・ナス・トマト・タバコの葉を食べる・・とある。
しかし、9月末にまだこの幼虫がいるということは、「どうなってるの・・?」これも温暖化なのでしょうか?
そういえば、TVで気象予報士が「今年はこの10月に入っても、まだ蝶が群れ飛んでいますね・・」と、のたまっていたではないか。どうも蝶の乱舞は丹波だけではないらしい。
地球環境をジワジワと壊し、温暖化を招いたことは、人類の利己主義の結果だと思っています。南方系の巨大イモムシが、丹波市にいてもイモムシに罪はありませんね。
昔から日本人の食卓にのぼり、佐藤春夫が叙情的に詠った”秋刀魚の歌”は、もはや遠くなりました。今や高級魚に昇格した”秋刀魚”を春男が知れば、秋刀魚をどのように詠うのでしょう?今はブリが大漁だとニュースで聞いて驚きました。
これからは”ブリの歌”になるのかも知れませんね。センチメンタルな叙情歌”秋刀魚の歌”は、これからの若者にはピンとこないでしょう。
温暖化のせいで、文学の鑑賞も実感が伴わないなんて・・こんな時代が来るとは思わなかった。しみじみ嘆く、本の虫です。
環境がこのように変化してくると、野菜も今まで収穫されていたものが出来なくなるかも知れません。将来の農業を担う若手のファーマーは、どのように感じているのでしょうか。
南国野菜が楽に育つようになれば、和食文化にも影響するだろう・・菜園の四季を見ながら、近年の加速度的な変化に「このままでいいの?」と危機感を覚えます。
温暖化は私たちのツケなのです。