一年以上、見えないウイルスとの戦いを強いられている人類は自分たちの命や、その生活を育んでいくための環境へ関心が高まってきたといえますね。
ようやくSDGsの考え方も、メディアでも頻繁に取り上げられるようになりました。 (気がつくことが遅いよ、本当に遅い!)
定年でUターン。自家栽培に楽しみを見いだして、JA直売所や道の駅へ農産物を少しずつ出すようになりました。2年前から本格的にビーツ加工の6次産業を始めた私でしたが、悩ましい事が出てきました。
それはパッケージへのストレスです。
収穫した野菜はそれぞれの店舗で出荷の形態が決まっています。ほとんどがスーパーで皆さんが目にするような透明なポリエチレン袋やパックに個包装して出荷をします。そこに私に不条理を感じてしまうのです。
野菜を購入して調理する時には、もうそのポリ袋は役目を終えて、ゴミになります。
このことを知っていてもプラ袋で出荷しなくてはならないというトラウマは、私を憂鬱にさせるのです。きっと、同じような思いを持つ生産者はいるのではないでしょうか?
プラスチックが環境に及ぼす負の遺産に、人類はもう手が付けられなくなっているのが現状ではないのかな?
人類自身が実は絶滅危惧種のリストに入っているなどと、皮肉を込めた言葉をTVで聞きました。
人類の愚かさには、涙が出ます。本末転倒も甚だしい!
ガラス瓶の循環を進めることです。
Reduce:ごみを減らそう
Reuse:繰り返し使う
Recycle:分別して資源化する
3つの頭文字Rを合せて3Rと言われます。
少し前まで、牛乳瓶はガラス瓶でした。毎朝、そのガラス瓶を牛乳配達の人が回収しながら、新しい牛乳を配達してくれました。まさにそのことが3R活動です。日本酒などの一升瓶やビール瓶は、酒屋さんで引き取ってくださいますね。これは理に適った循環型社会の歯車の一つですね。
昨今はプラスチック容器が大半を占めてきていて、ペットボトルの飲料、調味料、食品がひしめいています。そんな中、環境に配慮したガラスや紙素材のものが、これから注目されていくはずです。
住んでいる自治体のルールに則ってガラス容器は捨てられますが、自治体によっては分別も様々で必ずしも有効にリサイクルされている訳ではありません。
ガラス容器は色分けで分別されてリサイクル工場へ運ばれますが、回収の段階で割れたガラスは総て埋め立て地へ直行なのだそうです。
ガソリンと人件費を使って回収したガラス瓶が新しい容器に生まれ変わるまでには、多くの有効な資源を使わなくてはなりません。それは移動にかかる車のガソリン代、人件費、ガラス洗浄の薬剤や水なども入ってきます。
私が加工しているビーツケチャップ、ピクルス、ジャム・・などの容器は全てガラス瓶です。内容物は別でも同様の瓶を利用するようにしています。このことから、3Rが出来ないかと一人で悩んでいました。丹波市の環境課へメールして提案してみましたが「無反応」で、かなりショック!
昨年夏から神戸元町マルシェへ出荷し始めました。半年に1回くらいのペースでマルシェへ足を運んでいます。
2月のある日、店長と初めて出会うことがありました。
思いもかけない若い男性でしたので、とてもビックリしました。その店長といろいろ話しているうちに、3R活動について話が及びました。
「私が出荷している瓶詰めの加工品を3Rで回収できないだろうか・・」と、お聞きすると即決で「出来ますよ!」のお返事。
さすが!出来る男は違う!話が早いや。店長から新しいアイデアもいただきました。
そして結果は手順は以下のようになりました。
①マルシェで「ペッパーまきの」瓶の加工品を購入
②食べきったら、軽く洗って(ラベルはそのまま)でマルシェへ持参
③新たに「ペッパーまきの」商品をお買い上げの際に30円の値引きをする。値引き商品は西野裕子が出荷している全ての農産物、加工品、雑貨ならどれでも可能とする
④瓶の回収が出来たら、回収箱に入れて週一の出荷の際に私へ渡す
⑤回収された瓶は加工場で消毒、熱処理して新たに充填する
3月に告知用のポップ作成も店長とメールと電話で数回のやりとりをして完成させることができました。
私の3R作戦は店長はじめ、マルシェスタッフの協力が欠かせません。
気持ちよく活動に参加してくださることに心より感謝しています。
私自身、始めたばかりでどのような結果になるかは分かりませんが、徐々に賛同者が出てきてくださることを期待しています。
持続可能な社会への実現に向けて、私なりにコツコツですが循環型社会の歯車の一つに慣れたなら何より嬉しいです。
心から多くの賛同者を待っています!!