丹波の環境は素晴らしい!
自宅前の道を右手に行くと県の施設「丹波の森公苑」に2分ほどで繋がります。山を背にして大きな文化施設が建ち、その周囲は様々な木々が植栽され、なだらかな広場やビオトープなどがある素敵な空間が広がっています。
周辺では朝晩、老若男女がスタイリッシュな服装に身を包んで、ウォーキングに勤しみ、また犬を連れて散歩する姿を多く見かけます。我が家の愛犬の散歩コースの一つでもあります。
左手に行くと10分ほどでJR柏原駅に繋がっていて、列車の走行する音が風にのって我が家まで聞こえます。旅情を感じるその音も気に入っています。
JR柏原駅の手前には、両岸に桜が続く柏原川が流れます。
春は桜花、夏は深緑と蛍、秋は黄金色の稲穂を横手に見ながら、彼岸花や桜紅葉が楽しめる柏原川はこの街の良いアクセントです。
初冬の朝、川霧が龍のように立ちのぼりその幽玄さは言葉に表すことが難しいほど。この川は柏原駅が近いので沿線の桜花と列車を狙って、撮り鉄が集います。
愛犬と散歩するこのコースで、何より私が気に入っているのは、四季を通じて身近に見せてもらえる、動植物の姿です。
柏原川の中州に白鷺、青鷺、カモは言うに及ばず、翡翠に会うこともあります。青い宝石と呼ばれる“翡翠”を目撃すると、とても嬉しくなります。
セリやクレソンなどのような、最近では高級食材となった野草もこの川には繁茂しています。
愛犬アデルと散歩しながら、橋の上から覗き込むと、大きなスッポンや亀がゆらりゆらりと泳ぎ、初夏は鱗をギラリと光らせて魚が群れる様子も見ることがあります。贅沢なひと時です。
周囲の山々の額縁の中に、清々しい空気とこれらの生態系が混然一体となって表されているのです。
近年、野鹿の被害が各地で問題になっているが、丹波も例外ではありません。以前、母が生き甲斐にしていた菜園でも、一晩で野鹿に食べられてしまうことがありました。
母は落胆しながらも、
「あーあ、芽が出たことを楽しみに見ていたのに、ざんねんじゃ。鹿の餌をつくってやったようなもんじゃ・・・でも、鹿も己の命を繋ぐために必死なのだから、しょうがないか」と、また新しい種を蒔きました。
その言葉に私はハッとした記憶があります。母の言葉は仏様のよう。
自然と共存することは、時に厳しいとこともあるのですね。決して人間至上主義に陥ることなく、環境と上手に折り合いをつけていく許容の心、その使い方を、母は“丹波人”として会得していたのだと思います。
今では各所で農地を守るために、有害鳥獣駆除を行いながら、広範囲に金網や丈夫なネットなどで農地を囲い、野生動物が侵入しないように工夫しています。
現役を退いたら田舎暮らしをしたいとお考えの方がいらしたら、是非丹波市へお越しくださいませ。丹波も少子高齢化の進む地域ですが、赤十字病院と県立病院の合併した、新しい県立病院や健康センターも出来ました。田舎暮らしの支援制度も多くあるようですよ。